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2005.01.27

倭という字

倭を分解すると、人と禾と女になります。
① 禾は、あわ。いね。禾科(カホン)の植物、または穀物の総称と辞書にあります。
象形文字で、しなやかに穂がたれた低い粟の姿から出来た文字です。
② 禾に女が加わり、委です。しなやかに力なく垂れる様子。
  委は字音は、い(ゐ) 意読は、ゆだねる(ゆだぬ)/ まかせる(まかす)/ すてる(すつ)/
  おちる(おつ)/ すえ(すゑ)/ つまびらかに
  意味---カシオのEX-wordには
ゆだねる(他人のいいなりになる)。 / まかせる(なりゆきのままになる)。
すてる(手を離してほっておく)。 / おちる(ためておいてある)。
曲がりくねったさま。 / すえ(曲がりくねった端)
つまびらかに。細かい末端まで。
「字通」には—
委は稲魂を被って舞う女の形で、その姿のしなやかなさまをいう。--形声
意味はしたがう、低い姿勢。/ 倭遅は、はるかに連なるさま/ わが国の古名。

同声には、萎、痿、逶、があり勿論、すべて「い」と読み、すべて意味は、しなだれて、ぐんにゃりしているさまです。
「矮」――「わい」意味は、短くて曲がっているさま。
中国でも、「倭」を使った熟語は、少ないらしく、「倭遅」しか掲載されていません。
中国の資料に掲載されているのは、「倭奴」「倭寇」「倭種」「倭漢」「倭刀」「倭人」
とあり、すべて、倭の字は、日本の意味で使われています。案外、「倭」の字は、日本人を現すために作られた漢字かも知れません。

③ 委に人偏がついています。倭になります。
漢和辞典をひきますと、字音は 「わ」と「い」です。
「名付け」として、 かず しず まさ やす やまと が掲載されています。慣例として、このようにも読むということです。 倭を「やまと」と読むのは、知っていますが、字典には、「わ」と「い」だけです。 倭文と書いて、「しとり」「しどり」「しずり」と読みます。べつの漢字で書きますと、静織(しどり)です。

  呉織と漢織と書いて、「くれはとり」「あやはとり」と読みます。呉は「くれ」漢は「あ
や」ですから、織は「はとり」と読むことになりますが、漢和辞典では、「しき」「しょく」「おる」しかありません。
この二つは、呉の国の織物・漢の国の織物という意味でしょう。倭文は倭の国の文(織物)という意味になります。
ただ、日本書紀の応神天皇の37年春のところに、日本からの求めに応じて「呉の王は、工女(ヌイメ)の兄媛・弟媛・呉織・穴織の四人の婦女を与えた」という記事が載っています。大阪府池田市に呉服(クレハ)神社があり、「呉織・穴織」の二人が祀られていますから、記事に見られることは実際にあったと思われます。となりますと、「呉織」は、工女の名前ということになります。
④ 全国に倭文神社はたくさんありますが、鳥取県には、二ヶ所あります。その一つは、旧の住所で、東伯郡北谷村志津にあります。
  茨城県那珂市静字帝青山に、静神社があります。祭神は、織物の神である建葉槌命
  となっています。
  滋賀県余呉町と木之本町の境に賤ヶ岳があります。木之本側の麓に、大音の集落があります。ここも絹織物があったのかどうか調べていませんが、絹からお琴の糸が作られています。「賤」は「しず」と読みます。
  このようなことから、元々、絹のことを日本では、「しづまたは、しつ」と読んでいたのではないでしょうか?  


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