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2005.01.21

禊祓いと神々の生成

前回の 禊祓いと神々の生成 その2 の前の文章が抜けていました。
この文の後で、改めて その2を読んでください。

又もや、原文です。
是以伊邪那伎大神詔。吾者到於伊那志許米(上)志許米岐【此九字以音】穢國而在祁理【此二字以音】故吾者爲御身之禊而。到坐竺紫日向之橘小門之阿波岐【此三字以音】原而。禊祓也。

故於投棄御杖所成神名。衝立船戸神。次於投棄御帶所成神名。道之長乳齒神。次於投棄御裳所成神名。時置師神。次於投棄御衣所成神名。和豆良比能宇斯能神【此神名以音】次於投棄御褌所成神名。道俣神。次於投棄御冠所成神名。飽咋之宇斯能神【自宇以三字以音】次於投棄左御手之手纒所成神名。奧疎神【訓奧云淤伎下效此訓疎云奢加留下效此】次奧津那藝佐毘古【自那以下五字以音下效此】次奧津甲斐辨羅神【自甲以下四字以音下效此】次於投棄右御手之手纒所成神名。邊疎神。次邊津那藝佐毘古神。次邊津甲斐辨羅神。右件自船戸神以下。邊津甲斐辨羅 神以前十二神者。因脱著身之物。所生神也。

於是詔之。上瀬者瀬速。下瀬者瀬弱而。初於中瀬隨迦豆伎而滌時。所成坐神名。八十禍津日神【訓禍云摩賀。下效此】次大禍津日神。此二神者。所到其穢繁國之時。因汚垢而。所成神之者也。次爲直其禍而所成神名。神直毘神【毘字以音。下效此】次大直毘神。次伊豆能賣【并三神也伊以下四字以音】次於水底滌時。所成神名。底津綿(上)津見神。次底筒之男命。於中滌時。所成神名。中津綿(上)津見神。次中筒之男命。於水上滌時。所成神名。上津綿(上)津見神【訓上云宇閇】次上筒之男命。此三柱綿津見神者。阿曇連等之祖神伊都久神也【伊以三字以音。下效此】故阿曇連等者。其綿津見神之子。宇都志日金拆命之子孫也【宇都志三字以音】其底筒之男命、中筒之男命、上筒之男命三柱神者。墨江之三前大神也。

於是洗左御目時。所成神名。天照大御神。次洗右御目時。所成神名。月讀命。次洗御鼻時。所成神名。建速須佐之男命【須佐二字以音】右件八十禍津日神
以下。速須佐之男命以前十四柱神者。因滌御身所生者也。

この項は、退屈なので、翻訳をやめようと思っています。空白をおいて、四ヶ所に分けました。例によって次々と神が生まれるのですが、「成」と「生」が混ざっています。気になるので、太文字にしました。
上二行、ご自分で読んでください。禊祓いをした場所が書いてあります。
岩波文庫の翻訳では、〔竺紫の日向の橘の小門の阿波岐原〕となっています。そして、注釈に、場所不明となっています。こんなに〔の〕を入れたら、どこか判りません。
〔阿波岐原〕は、〔淡き原〕でしょう。最後が、地名ではなく、草が少ない原だといっていますから、前にある文字は、すべて、その場所を形容する文字と考えられます。竺紫は筑紫に似ていますが、字が違います。この部分を飛ばして、先に進みます。
二段目は、十二の神が生まれたことになっています。
縦に並べ替えます。
  杖----  衝立船戸神
  帯----  道之長乳歯神
  嚢----  時量師神
  衣----  和豆良比能宇斯能神
  褌----  道俣榊
  冠----  飽咋之字斯能神
  手纏(左)-奥疎紳、奥津那褻佐毘古神、奥津甲斐辮羅神
  手纏(右)--邊疎神、邊津那塾佐出比古神、邊津甲斐辮羅神
三段目は、
次に、中つ瀬に堕り潜きて、身を滌いでいるときにやって来た人の名前を14人挙げています。
  汚垢によりて成れる神------- 八十禍津日神、大禍津日神
  禍を直さむとして成れる神--- 神直毘神、大直毘神、伊豆能売神
  水の底に滌ぐ時に、成れる神-底津綿津見神。底筒之男命
  水の中に滌ぐ時に、成れる神-中津綿津見神。中筒之男命
  水の上に滌ぐ時に、成れる神-上津綿津見神。上筒之男命。
     三柱の綿津見神は、阿曇連等の祖神なり
     底筒之男命、中筒之男命、上筒之男命の三柱の神は、 墨江の三前の大神なり。
  左の御目を洗ひたまふ時に成れる神--天照大御神
  右の御目を洗ひたまふ時に成れる神--月読命
  御鼻を洗ひたまふ時に成れる神------建速須佐之男命
合計26名の部下ができたことになります。
  
底津綿津見神、中津綿津見神、上津綿津見神は、笛吹山の中腹の大河原神社に祭られています。底筒之男命、中筒之男命、上筒之男命は吉原神社に祭られています。
夜見のヒラ坂で追ってから逃れたイザナギは、大坂を通り、白水川にでて、大滝へと進んだことになります。
イザナギが居たところには、大王の〔大〕と〔白〕がつくことが多いようです。このルートは、もともと、イザナギが利用していたルートで、津綿津見神と筒之男命は、この地で働いていたのだと思われます。禊祓いをしているところに、たまたまやってきたのであれば、神社として残らないと思います。其のときの子孫の方が、ずっと、神社のお守りをしておられることになります。
此れで終わりですが、初めの〔到坐竺紫日向之橘小門之阿波岐【此三字以音】原而〕です。森林が尽きた所が〔竺紫〕です。日向は太陽の当たるところです。この辺りは、かつて、日光村と呼ばれた所です。白水川の上流は、沢になっています。僅かな草が生えている状態が、阿波岐原(淡い河原)です。そこに橘の木が垂れ下がって、小さな門のようになっているところを潜ったのでしょう。形容詞を並べて表現したことになります。 

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