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2005.05.02

古事記を読む  稲羽の素兎 その2

No71
故欺海和迩【此二字以音。下效此】言。吾與汝竸。欲計族之多少。故汝者隨其族在悉率來。自此嶋至于氣多前皆列伏度。爾吾蹈其上。走乍讀度。於是知與吾族孰多。如此言者。見欺而列伏之時。吾蹈其上讀度來。今將下地時。吾云。汝者我見欺 言竟即 伏最端和迩 捕我悉剥我衣服。因此泣患者。先行八十神之命以。誨告浴海鹽當風伏。故爲如教者。我身悉傷。
於是大穴牟遲神教告其菟。今急往此水門。以水洗汝身。即取其水門之蒲黄。敷散而。輾轉其上者。汝身如本膚必差。故爲如教其身如本也。此稻羽之素菟者也。於今者謂菟神也。故其菟白大穴牟遲神。此八十神者必不得八上比賣。雖負袋(衣の部分が巾)汝命獲之。

そこで、海の和迩(ワニ)を欺(アザム)いて言いました。「吾(ワタシ)と汝(アナタ)と競争して、どちららかの族(ヤカラ)の数の多少を計(カゾ)えたいと欲す。そこで、汝は隨其の族の在る隨(マニマ)に、悉くを率いて來て、自此の嶋自(ヨ)り氣多の前に至まで皆を列らばせ伏せて渡る。そこで、吾が其の上を蹈んで、走り乍ら讀(ヨン)んで渡る。そこで、吾の族と孰(イズレ)か多いかを知ろう」と言いました。此の如く言いましたが、欺いて列らび伏せているのを見て、吾は其の上を蹈みながら、讀み度り來て、今、將(マ)さに、地に下りるという時、吾は云いました。「汝は我に欺されたのだ」と言い竟(オワ)るや、最後の端に伏せていた和迩(ワニ)が我を捕らえて我の衣服を剥ぎました。此の因により泣き患(ワズ)らっていると、先行の八十神の命が、海の鹽を浴びて風に當って伏せているようにと教えてくれました。そこで、爲如教えられたようにしていますと、我の身は、悉く傷ついてしまいました。
是に於いて、大穴牟遲神其の菟に教え告げました。「今、急いで此の水門に往って、水を以って、汝の身を洗いなさい。即ぐに、取其の水門の蒲黄を取って、敷き散らかして、其の上で輾轉(ネコロガ)れば、汝の身は本(モト) 如く膚は必らず治るでしょう」そこで、教えられた如く爲(ナ)すと、其の身は如本のようになった。此は稻羽の素菟(スウサギ)也。今は菟神と謂う也。そこで、その兎が大穴牟遲神に申すには、「此の八十神は必ず八上比賣を得ることは出来ない。袋を背負っていると雖も汝の命が之を獲るでしょう」と申しました。

日本書紀の作者は、この神話は何のことかわからなかったのでしょうか。それとも、問題にするほどのことはないと思ったのでしょうか? この後、まだまだ続きます。八十神の名前も出てきます。日本書紀に書かなかったということは、これも知られたく無かったのだと思います。知られたくないのであれば、稲羽の素兎の部分は、古事記の方も削除すればいいのですが、削除しませんでした。他愛もない物語だと思ったのでしょう。
この後、八十神が大国主命を苛めます。須佐之男のいる根の国にも行きます。須勢理毘売に出会います。
長い物語ですが、削除しないし、日本書紀で取り上げなかったことは、謎と言ってもいいかもしれません。

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