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2005.06.03

閑話休題-- 神社と祭神数

No88
次の文は、昭和8年 島根県隠岐支庁発行の隠岐島誌の神社に関する資料の最初の部分です。
「隠岐島民は、敬愛愛国の思想に富み、神社を崇敬するの風あり。古来、有名な神社多く、延喜式神名帳に掲載せられたるもの、十六座に及び、就中、「名神大」と註せられしもの、知夫郡由良比女神社(ユラヒメ)、海士郡宇受加命神社(ウズカノノミコト)、同郡伊勢命神社の四座を有し、出雲国百八十七座中、大社二座、因幡国の五十座中、大社一座、伯耆家石見の大社無きに比し、隠岐の孤島にして、十六座中、大社四座を有するは、実に畏敬と謂わざるべからず。殊に、上古は、朝鮮半島交通の要路に当り、平安朝以来は、新羅来寇の衝に当たれるを以て、屡、勅を下して、異国調伏の祈願あり。神階授与の事、亦屡、国史に見えたり。朝廷に於いては、当国の辺要防備に就きて、常に、意を用ひられたる事亦知るべし」

ここにあるとおり、この小さな島に、延喜式神名帳に掲載せられたるものが十六座もあります。国が式内社を選定したときに、伯耆や因幡よりも重要視していたことが分かります。
式内社は次のように記しています。
式内神社 当国には、延喜式神名帳に掲げられたろ神社十六座あり、即ち左の如し。
隠岐国十六座 大四座、小十二座
 知夫郁七座   大一座、小六座
   由良比女神社 名神大 (元名和多須神)     大山神社
  海神二座
   真気命神社                       比奈麻治比売命神社
                                 天佐志比古命神社
 海部郡二座  大一座  小一座
   名伎良比売神社                    宇受加命神社 名神大
 周吉郡四座 併小
   賀茂那備神社        水祖神社
   玉若酢命神社        和気能須命神社
 穏地郡三座   大二座 小一座
   天健金草神社 名神大
   伊勢命神社          水若酢命神社  名神大

上記の神社に限らず、この島の神社の祭神は、一つのものが多いです。元々、祭神とは、数は少ないものです。神社は、そこに住んでいた人が、自分たちの先祖を祀ったものだと思われます。
ところが、祀る人が追い遣られたり、少しずつ減ったときに、近くの人が、自分たちの神社境内に、持ち主が居なくなった神社を一緒に祀ったのが、合祀であり、長い年月の間に、祭神の仲間入りをしたのだろうと思われます。
No8で紹介しました鳥取県頭郡智頭町大字智頭にある那岐神社の祭神は、国之常立神、豊雲野神、宇比地邇神、妹須比智邇神、角杙神、妹活杙神、意冨手能地神、妹大斗乃辨神、於母陀流神、妹阿夜訶志古泥神の10神です。
この10神がこの地に、集団でやってきたと考えるか、次第に増えていったと考えるかどちらでもいいと思います。少なくとも、古事記に書かれているから、ここに那岐神社を作ったと考えるのは、間違いでしょう。稗田阿例が、あちこちの神社を訪れ、其の上で、古事記を神話仕立てに作ったのでしょう。
このように、祭神の数は、合祀により増えたことは、大いにあったと思います。
その例の一つに、茅部神社があります。
真壁君川上村大字西茅部字磐座山1499番地 (古い住所)
村社 茅部神社
祭神 天照大神    御年神       天児屋根命   少彦名命
    素盞男命    市杵島姫命     息長帯姫命   大綿津美命
    軻遇突命    菅原神       大山祇命    稚日?命
    稲田姫命    多々美比古命    経津主命    狭田彦命
    神直日神    誉田別命      倉稲魂命    建甕槌命
    武内大臣    句々廼馳命     稲背波岐命   道祖命
次に最近の合祀の資料を書きます。
明治42年6月22日、
 本村大字西茅部 字大蛇  無格社 多々美比古神社(祭神 多々美比古)
            字社田、 無格社 社田神社 (祭神 大綿津美命)
            字郷原  無格社 天満神社 (祭神 菅原神)
            字下郷原 無格社 荒魂神社 (祭神 素盞鳴命)
            字故茅部 無格社 尾田神社 (祭神 素盞鳴命稲田姫命)
   大字東茅部  宇間谷  無格社 武雄神社 (祭神 素盞鳴命)
            字黒岩  無格社 八幡神社 (祭神 品陀別命 神直日命 素盞鳴命)
を合祀せり。

明治43年4月21日
本村大字本茅部  字原   無格社 別部神社 (祭神 稚日ル命)
   大字東茅部  字粟住  無格社 阿波須美神社(祭神 稚日?命) 
                  無格社 厳島神社(祭神 市杵島姫命)
            字祝詞  無格社 祝詞神社(祭神 天児屋根命)
            字大森  無格社 倉稲魂神社(祭神 倉稲魂神)
を合祀せり。

明治44年4月21日
本村大字西茅部  字後山  無格社 八幡神社(祭神 品陀別命)
を合祀せり。

祭神の数が多い理由に、上記のようなものがあることは確かです。

もっとも、祭神数が多い神社はご存知ですか?
靖国神社です。其の数、2466495柱です。 (平成15年10月15日現在)平成おお15年10月17日現在平成15年10月17日現在
多いところを拾いますと、日露戦争が、88429、満州事変が17176、支那事変が、191243、大東亜戦争が、2133885柱。明治維新以後を合計しますと、2466485柱となります。
祭神を、丁寧に眺めると、いろいろの事が分かります。歴史の分野で、あまり人が手をつけていないところだと思います。
知られていない事柄が発見できるでしょう。

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