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2005.08.06

古事記を読む  倭文神社と絹の関係

No119
倭文神社は、全国に14社存在します。
上野国佐波郡           甲斐国巨摩郡
大和国葛下郡           但馬国朝来郡
伯耆国久米郡           伯耆国川村郡
駿河国富士郡           伊勢国鈴鹿郡
丹後国与謝郡           丹後国加佐郡
因幡国高草郡           美作国久米郡
伊豆国田方郡           近江国滋賀郡

現在の地名による倭文神社の所在地と祭神は、次の通りです。
① 奈良県北葛城郡当麻町加守     葛木倭文坐天羽雷命神社 
② 三重県鈴鹿市加佐登町       倭文神社 
③ 静岡県富士宮市星山         倭文神社 
④ 静岡県田方郡伊豆長岡町江間   倭文神社 
⑤ 山梨県韮崎宮久保          倭文神社 
⑥ 茨城県那珂郡瓜連町         静神社 
⑦ 大津市坂本本町            倭神社 
⑧ 伊勢崎市東上宮町380        倭文神社 
⑨ 京都府綾部市今田町         倭文神社 
⑩ 京都府与謝郡野田川町三河内   倭文神社 
⑪ 兵庫県朝来郡生野町         倭文神社 
⑫ 鳥取市倭文               倭文神社 
⑬ 鳥取県 東伯郡東郷町宮内754   倭文神社   
⑭ 鳥取県倉吉市志津           倭文神社    
⑮ 岡山県久米郡倭文中村柚木     倭文神社


〔倭文〕は、しずり、又はしとり、しどりと言います。これは、倭文織ことで織物を表わしています。倭文神社は、織物に関係していた人たちが、お祀りをしていたことになります。だれが祀られているかと言いますと、各神社には、いろいろの神が祀られていますが、主に、〔建葉槌命〕と言う神さんです。この神は、日本書紀では、「邪神や草木・石まで平らげたのに、最後まで従わないのは、星の神 香香背男だけになった。そこで、建葉槌命を遣わして服従させた」とあります。最後まで、従わなかったのは、星の神 香香背男です。
美作には、久米郡倭文中村油木に、倭文神社があります。星の神 香香背男を祀った神社が、五座あります。(志呂神社、榊葉神社、高津神社、少彦名神社、八幡神社)。久米郡三保村錦織には、瀬織姫命を祀った錦織神社があります。
ということは、いつの時代か判りませんが、美作では、絹を使って織物をしていたことが判ります。絹を作っていたかどうかは、これだけではわかりません。
上野国佐波郡の中心に当たるところは、伊勢崎市になります。群馬県には、建御名方神を祭った神社が三社あります。従いまして、建御名方神は諏訪だけではなく、伊勢崎市にも関係があったことになります。この近辺では、現在の織物の町は、秩父、八王子、桐生、足利、伊勢佐野、武蔵になります。こうした地域で生産された絹は、伊勢崎市に集積されたので、最も大きく倭文神社がつくられたのではないでしょうか? 
ずっと、後のことになりますが、東大寺献物帳によると、和銅7年(714年)に上野国(今の群馬県)がはじめて「あしぎぬ」を織って朝廷にさしだしたことや延喜5年(905年)当時の租税制度に上野の国の税金は「あしぎぬ」と定めてありますから、この頃には、米が取れない代わりに絹を出したと思われます。もっと、時代が下りますと、桐生では水車動力を各工程に利用し、多くの反物ができ「市」が賑わい、桐生の織物がたくさん売れ、全国に普及していった結果、天命年間には日本のお金の三分の一が桐生にあったといわれる位、多くの織物屋にお金が集ったそうです。。この辺りの織物について書かれたものを読みますと、殆ど、江戸時代・明治になって養蚕が活発になったように書いてありますが、古事記が出来たときには、すでに、絹が重要視されていたことがわかります。
1738年に伊勢崎藩主に提出された茂呂村(現在の伊勢崎市)の買上帳に
一、絹織り出し六百疋、但し近年繭にて近江商人に受け渡し、または糸に仕候。
一、絹、数の儀はおおかた弐百五十疋程。
という古文書が残っていますから、近江商人との関係がわかります。
美作国と上野国のことのみ書きましたが、倭文神社の分布を眺めながら、いろいろ考えて頂ければと思います。それと、No117、118に掲げました諏訪神社の分布もあわせて眺めると違ったことが浮かんできます。 

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