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2005.09.30

古事記を読む  猿女の君

No140
原文 
 故爾詔天宇受賣命。此立御前所仕奉猿田毘古大神者。專所顯申之汝送奉。亦其神御名者。
汝負仕奉。是以猿女君等。負猿田毘古之男神名而女呼猿女君之事是也
訳文
 ここに天宇受賣命に詔りたまいしく、「この御前(みさき)に立ちて仕へ奉りし猿田毘古大神は、專ら顯わし申せし汝(いまし)送り奉れ。また、その神の御名は、汝負いて仕へ奉れ」とのりたまいき。ここをもちて猿女君等、その猿田毘古の男神の名を負って、猿女君と呼ぶ事これなり。

考えたこと
① この二行の文の主語はなにでしょうか? 猿田毘古大神が何者であるかを天宇受賣命に聴きにやらしたのは、天照大御神と高木神です。ここも同じでしょう。たま、「御前」は、天照大御神の御前であれば、「おんまえ」でしょうが、この前の部分に「岬」の意味が使われていますから、岬でしょう。猿女君等の「等」の意味がわかりません。この部分全体が、前の文章と全く繋がりません。天宇受賣命に猿田毘古大神を送っていくように命令しています。どこへ送って行くのでしょうか? 意味が繋がりません。意味がつながらないということは、間の文章が抜けているのでしょう。抜けているのに、辻褄が合うように訳するととんでもない間違いをします。解らないままの方が正確だと思います。もう一度、私なりの訳を書きます。
天照大御神と高木神は、天宇受賣命に云われました。「この岬に立って仕え奉っている猿田毘古大神は、專ら明らかに申すようにした汝が送り奉りなさい。また、其神御名は汝が責任を負うてこれからも猿女君等に仕え奉りなさい」 猿田毘古の男神名を負うて 女(天宇受賣)を猿女君と呼ぶ事の是理由です。

原文
故其猿田毘古神坐阿邪訶【此三字以音。地名】時。爲漁而。於比良夫貝【自比至夫以音】其手見咋合而。沈溺海鹽。故其沈居底之時名謂底度久御魂【度久二字以音】其海水之都夫多都時名謂。都夫多都御魂【自都下四字以音】其阿和佐久時名謂阿和佐久御魂【自阿至久以音】

訳文
 さて、其の猿田毘古神が阿邪訶(あざか)に坐ましたとき、漁をしていると、比良夫貝に、その手を食われて、海で溺れ沈んでしまいました。その時底に沈んでいる時の名を底度久(どく) 御魂といい、
底どく御魂=そこどくみたまといい、海水に立つ泡の名をつぶたつ御魂といい、その泡の裂けるときの名をあわさく御魂という。
考えたこと
① この部分は、この前の文章となんら関係ありません。意味不明です。前後になにか文章があったのでしょう。
② この部分は、日本書紀にはありません。猿田毘古神のことは書いてありません。猿田毘古神の変わりに、岐神(ふなとのかみ)のことが書かれています。日本書紀の作者は、猿田毘古神のことは書きたくなかったようです。
③ 書きたくないのであれば、書かなくてもいいのですが、古事記に書いてあるので、この文を入れることによって、古事記はなにを言いたいのかわからなくしただと思います。このように書きながら、なんだか最近の自分は、少々ひねくれているなとも思っています。しかし、考えるほど、私の推理は正しいような気になります。


於是送猿田毘古神而。還到。乃悉追聚鰭廣物。鰭狹物以。問言汝者天神御子仕奉耶之時。諸魚皆仕奉白之中。海鼠不白。爾天宇受賣命謂海鼠云。此口乎。不答之口而。以紐小刀拆其口。故於今海鼠口拆也。是以御世嶋之速贄獻之時。給猿女君等也。

翻訳
ここにおいて、猿田毘古神を送って還(かえり)到りました。
(猿女の君は) 鰭廣物、鰭狹物を集めて、「お前達は天つ神の御子に仕え奉る?」問うた時に、
諸魚の皆が仕て奉つると言う中で、海鼠(なまこ)は答えなかった。天宇受賣命は海鼠に
「この口は、答えられぬ口か」といい、海鼠の口を小刀で切り落としてしまった。
現在、海鼠の口が裂けているのはそう言うわけである。
このことがあって、この後ずっと、海からの貢物は猿女の君等が賜るようになった。
考えたこと
① この部分は、筋が通っています。
② ただ、どこへ送って行ったか書かれていません。本当は書いてあったのでしょう。阿邪訶という地名が、伊勢らしいですから、猿田毘古神の役目が終ってから、伊勢に送っていったということでしょう。そして、二人は結婚をして、伊勢神宮で、海からの献上物を扱っていた??

こんなストーリにしますと、全体の流れはよくなります。

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