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2005.11.21

古事記を読む  火照命の服従 その2

No148
原文
授鹽盈珠、鹽乾珠并兩箇。即悉召集和迩魚問曰。今天津日高之御子。虚空津日高爲將出幸上國。誰者幾日送奉而。覆奏。故各隨己身之尋長限日而白之中。一尋和迩白。僕者一日送即還來。故爾告下其一尋和迩。然者汝送奉。若渡海中時。無令惶畏即載其和迩之頚送出。故如期一日之内送奉也。其和迩將返之時。解所佩之紐小刀。著其頚而返。故其一尋和迩者。於今謂佐比持神也。
是以備如海神之教言。與其鉤。故自爾以後。稍愈貧。更起荒心迫來。將攻之時。出鹽盈珠而令溺。其愁請者。出鹽乾珠而救。如此令惚苦之時。稽首白。僕者自今以後。爲汝命之晝夜守護人而仕奉。
故至今。其溺時之種種之態不絶仕奉也。
翻訳
鹽盈珠(しおみつたま)と鹽乾珠(しおふるたま)并わせて兩箇を授けて、即ぐに、悉く和迩(ワニ)魚を召して集めて問うて申しました。「今、天津日高の御子である虚空津日高が將に上國へ出幸しようと爲されています。誰か幾日かで送り奉てまつって、覆(かえ)り奏すか」と云いました。すると、各、自分の身長の尋長(ヒロタケ)に隨がって、日を限って申す中に、一尋の和迩(ワニ)が、白します。「僕が一日送り即に還って來ましょう」と申しました。だから、ここで、其の一尋の和迩に「然(しか)らば汝が、送り奉てまつれ。若し、海の中を渡る時に、な惶畏(かしこ)ませりそ」と告げて、即ぐに、載其の和迩の頚に載せて送り出しました。すると期の如く、一日の内に送り奉てまつる也。
其の和迩を將に返えそうとする時、所佩(はか)せる小刀の紐を解いて、其の頚に著(つ)けて返しました。それ故、其の一尋の和迩は、今に於いて、佐比持神と謂う也。
是に以ちて、備(つぶさ)に、海の神の教え言の如くにして、其の鉤を與えました。故に、それより以後は、稍愈(やや)に貧しくなって、更に、荒い心を起して迫めて來ました。將に攻撃をしようとする時、鹽盈珠を出して溺れるように命令し、其の愁い請うたれば、鹽乾珠を出して救い、此の如く、惚(なやま)し苦るしむように命令すると、稽首(のみ)白うしました。「僕は今自以後は、汝の命の爲に、昼夜の守護人として仕え奉ります」と申しました。
だから、至今に至るまで、其の溺れし時の種種の態、絶えず、仕え奉てまつる也。

考えたこと
① 和迩(ワニ)とありますが、海ですから、鮫のことでしょうか? 
② 「自分の身長の尋長(ヒロタケ)に隨がって」の部分が、判るようで判りません。尋長は、どこかの長さでしょう。前に「身長」とありますから、口のさきから、尾の先まででしょうか? 尾の付け根まででしょうか? 頭はいれないのでしょう? 人ですと、手を広げた長さを一尋と言います。この長さが広い人ほど、泳ぎが速いと思われていたのでしょうか? 身長そのものとすると、身長が長いほど、和迩も速く泳ぐとおもわれていたことでしょうか? 
③ 鹽盈珠と鹽乾珠---こんな玉があれば、便利です。海の水が何故、塩辛いかという物語を読んだような気がするのですが、マンガだったかもしれません。塩が出るように願っていたら、その人は悪い人であったので、塩が止まらなくなってしまった。そのために、海の水は塩辛いのだと。花咲かじいさんでも、同じことです。正直者は、ある道具を手にすると、願いことが叶うというパターンです。もっとも、新しいもので、子供達に夢を与えたものは、ドラエモンのどこでもドアです。
それだけ、海幸彦(火照命)は、憎かったのでしょう。兄弟でも、許せなかったのだと思います。
③ 「日を限って申す中に、」 いついつまで戻ってくるように、限ったということでしょうか? 一日で送って帰ってくると云ったワニがいたのですから、日を限る必要も無かったように思えますが・・・。
④ 「其の溺れし時の種種の態」が理解困難。種種の態とは、いろいろの状態でしょう。溺れるときの原因が種々なのか、溺れるときの、苦しがる様でしょうか? まあ、四六時中、守ってくれたことは確かでしょう。

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