私の健康観 *出づるを計って入るを制す その15
『私の健康観』15回目 20~21ページより
又私はこのヘルス・カスケットを檜製で作ってみた。秩父にいる知人を介して山主の紹介を受け昭和47年夏の暑い日、秩父に行って適当と思われる檜一本を切り倒して貰った。秋の終り頃製材して10台のカスケットができた。総檜のカスケットである。材料代は25万円と記憶する。一台にして25000円で足りた。早速一台が私の研究所に届けられ、その内側の四隅に、私独特の遠赤外線輻射体を取り付ける。遠赤外線式檜風呂世界第一号である。
すばらしい檜特有の香りが鼻を打つ。数分すぎてカスケット内の温度が40度位になると、やがて鼻がツンツンして、汗どころの騒ぎではなくなった。強烈すぎる香りには全く目鼻がもたない。飛び出してただの空気にホッと一息。檜も相応にすべきものとつくづく悟った。やがて二週間も過ぎた頃、トンと檜の香りが少なくなったようだ。以前に遠赤外線によって臭気止めの実験をしたことなど改めて思いだした。アメリカのライトという学者は、においは20ミクロン以上の遠赤外線という論陣をはっている。
冬になって、檜はすっかりゼイタク臭を落とすと、妙に又檜の香りが懐かしくなってくる。懐かしさがこうじると先刻の失敗につらなる。目も鼻もたまったものではない。程よき香りには、もう一工夫が必要になった。製材所へ行って新しい檜のオガクズをもらう。これをウィスキーの空ビンに適当に入れて熱湯を注ぐと、ほのぼのと檜の芳香がただようのだ。檜の大衆化はこれで充分である。爾後檜材のカスケットを所望する方にアドバイスすることにしている。
私からの一言‐――こりゃなんじゃです。ヘルス・カスケットは、高い檜を遣わなくても、安い木材をつかえば良いと云うことでしょうか。どうしても、檜の香りがほしい人は、
製材所へ行って新しい檜のオガクズをもらうでしょうか。 このような人の為に、胃までは、スプレ製品があるかもしれません。
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